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2004年07月20日時点
▼さや取り戦略
さや取りとは、商品間、限月間或いは市場間など相関関係のある商品間などから生じた価格差の拡大・縮小を狙って、利益を得る取引のことです。同時期に割高な方を売り、割安な方を買い、価格差の拡大・収縮を狙います。
■ガソリン・灯油の価格差を利用して利ザヤを狙う取引
原油から精製されてできるガソリン・灯油は連産品で相関性が非常に高く、価格にも常に影響します。
今回ご紹介する「さや取り戦略」とは、この2つの商品間における※値ザヤの拡大・縮小の特徴を組み合わせて活用する価格差による戦略取引です。
※ 値ざやとは、相場の変動による売値と買値の開き、または商品間、限月間或いは市場間の値段の開きをいいます。
【ガソリンのさやの特徴】 ガソリンは逆ざや
ガソリンのさやは、限月を問わず逆ざやの傾向にあることが多くなっています。逆ざやとは、期先限月価格よりも期近限月価格の方が高い状態をいい、順ざやはその逆の状態です。 |
【灯油のさやの特徴】 灯油は順ざや
灯油のさやは、限月によって異なり、冬場限月は逆ざやで夏場限月は順ざやの傾向にあることが多くなっています。また、灯油の特徴として、当限に近づくにつれて順ざやになる傾向にあります。 |
上記のように、当限に近づくほど逆ざや(価格上昇傾向)のガソリンと、当限に近づくほど順ざや(価格下降傾向)の灯油の特徴を利用して、さや取りトレードを行います。 |
★ 重要ポイント!
さや取りを行う前に、売買ポイントを予め把握しておく必要があります。さや取り手法にはいろいろな方法がございますが、単純に価格差の平均よりもさやが広がった時にさや取りを行えば、利益に繋がるということでもありません。そのため、確りとポイントを把握した上で、さや取りを行うことは重要です。
参考チャートとして、[有効ではないチャート]:先限つなぎ足チャート、[有効なチャート]:2002年2限月・2003年2限月・2004年2限月のチャートを下記に表示しております。
※先限つなぎ足で見るのではなく、限月チャートで売買ポイントを確かめましょう。
★ 売買シグナル − 9月が重要な売買ポイントに!!
ボリンジャー・バンドを用いて、ガソリン・灯油のさや取りトレードを行います。
下記チャートを見て頂くと一目瞭然と思いますが、価格差がボリンジャー・バンド1σ(シグマ)下限を下方から上方にクロスしたときに、売買シグナルとなります。過去3年間のチャートでは、9月〜10月辺りに売買シグナルが出ていることが見て取れます。
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≪参考チャート≫ |
下記のチャートは、先限つなぎ足です。ガソリンと灯油の価格推移と価格差が良く分かりますが、実際にこのチャートだけをみてさや取りを行うと考えていたような展開にはならないでしょう。なぜなら、「先限つなぎ足」とは、先限の価格を限月が変わっても単純に繋げてチャートを表示しており、実際の各限月の動きを反映していないからです。
さや取りを行う場合は、先限つなぎ足で見るのではなく、各限月のチャートでみる必要があります。 |
≪参考チャートと実際の活用方法≫
下記のチャートは、「2002年2月限」「2003年2月限」「2004年2月限」のガソリンと灯油の価格差チャートです。
その上に重ねて表示しているテクニカル指標は、ボリンジャー・バンド(20日、1σ)になります。
上記の「売買シグナル」でご説明した通りにさや取りを行った場合のシミュレーション結果をご覧下さい。 |
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【2001年9月19日の寄り付きに取引開始】
価格差がボリンジャー・バンド1σ下限を下から上にクロスして売買シグナルとなります。
例:ガソリンを10枚買い、灯油を10枚売って、納会日にポジションを仕切決済します。
▼ガソリン取引(10枚買い)
24,200円(売値)−24,880円(買値)=−680円
-680円×100倍×10枚=−680,000円
▼灯油取引(10枚売り)
29,990円(売値)−24,670円(買値)=+5,320円
+5,320円×100倍×10枚=+5,320,000円
最終差損益金: +4,640,000円
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【2002年9月20日の寄り付きに取引開始】
価格差がボリンジャー・バンド1σ下限を下から上にクロスして売買シグナルとなります。
例:ガソリンを10枚買い、灯油を10枚売って、納会日にポジションを仕切決済します。
▼ガソリン取引(10枚買い)
30,190円(売値)−27,000円(買値)=+3,190円
+3,190円×100倍×10枚=+3,190,000円
▼灯油取引(10枚売り)
30,540円(売値)−29,800円(買値)=+740円
+740円×100倍×10枚=+740,000円
最終差損益金: +3,930,000円
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【2003年10月17日の寄り付きに取引開始】
価格差がボリンジャー・バンド1σ下限を下から上にクロスして売買シグナルとなります。
例:ガソリンを10枚買い、灯油を10枚売って、納会日にポジションを仕切決済します。
▼ガソリン取引(10枚買い)
30,060円(売値)−26,760円(買値)=+3,300円
+3,300円×100倍×10枚=+3,300,000円
▼灯油取引(10枚売り)
29,160円(売値)−27,300円(買値)=+1,860円
+1,860円×100倍×10枚=+1,860,000円
最終差損益金: +5,160,000円
以上、ガソリン・灯油のさや取り戦略のご説明でした。
上記のシミレーションは、納会日までポジションを保有しておりますが、ボリンジャー・バンドの1σ上限を上から下にクロスして仕切り決済する方法もございます。
<注意>
掲載内容によって生じたいかなる損害についても、一切責任を負いかねますので予めご了承ください。
最終的な投資決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。
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